XenCenter

XenServer Conversion Manager

XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスを使用して、VMware環境全体をXenServerに迅速かつ効率的に移行できます。最大10台のVMware ESXi/vCenter VMを並行して一括変換できます。VMを変換すると、Conversion Managerは自動的にシャットダウンし、ホストのリソースを節約します。

移行の一部にXenCenterを使用することで、仮想マシンのネットワーク設定やストレージ接続の変更などの移行作業が容易になります。仮想マシンはXenServer環境に変換後、ほぼ実行可能な状態になります。

概要

XenServerを使用すると、次のことができるようになります:

  • 最大10台のVMware ESXi/vCenter仮想マシンを、1つのシンプルなウィザードで並行して変換する

  • VMwareとXenServerの間でネットワーク設定をマップし、変換した仮想マシンを適切なネットワーク設定で起動し実行できるようにする

  • 新しいXenServer仮想マシンを実行するストレージの場所を選択する

メモ:

  • XenCenterによって既存のVMware環境が削除されることや変更されることはありません。仮想マシンはXenServer環境で複製され、VMwareから削除されることはありません。

  • XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスは、シンプロビジョニング、シックプロビジョニング、IDE、SCSIなどのさまざまなストレージを使用するVMware ESXi/vCenter仮想マシンの変換をサポートします。

  • XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスでは、ソース仮想マシンにVMware Toolsがインストールされている必要はありません。VMware ESXi/vCenter仮想マシンにVMware Toolsがインストールされているかどうかに関係なく変換を実行できます。

  • XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスは、4つ以上のディスクを持つVMware ESXi/vCenter VMをXenServer VMに変換することはできません。VMware ESXi/vCenter VMには、3つ以下のディスクが必要です。

XenServerのしくみ

環境を変換する前に、XenServerのコンセプトに精通することをお勧めします。詳しくは、「製品の技術概要」を参照してください。

VMwareの仮想マシンをXenServerに正常に変換するには、次のタスクを実行します:

  • XenServerをインストールするなど、基本的なXenServer環境の設定を行う。詳しくは、「クイックスタート」と「インストール」を参照してください。

  • XenServerでネットワークを作成して、IPアドレスをネットワークインターフェイスカードに割り当てる。詳しくは、「クイックスタート」を参照してください。

  • ストレージに接続する。詳しくは、「クイックスタート」を参照してください。

VMwareとXenServerの用語の比較

次の表に、VMwareでよく使用する機能、コンセプト、およびコンポーネントにおおよそ相当するXenServerの用語を示します。

VMwareの用語 対応するXenServerの用語
VMware vSphere Client XenCenter(XenServerの管理コンソール)
クラスター/リソースプール リソースプール
データストア ストレージリポジトリ
vMotion ライブマイグレーション
分散リソーススケジュール(DRS) ワークロードバランス
高可用性(HA) 高可用性(HA)
vCenter Converter XenServer Conversion Manager仮想アプライアンス
役割ベースのアクセス制御(RBAC) 役割ベースのアクセス制御(RBAC)

変換の概要

XenCenterおよびXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスは、対象の各仮想マシンのコピーを作成します。同等のネットワーク設定とストレージ接続で対象の仮想マシンをXenServer仮想マシンに変換した後、XenCenterはその仮想マシンをXenServerのプールまたはホストにインポートします。1台または2台の仮想マシンだけを変換することも、最大10台のVMware ESXi/vCenter仮想マシン環境全体を並行して一括変換することもできます。

注:

vSphereから仮想マシンを変換する前に、vSphereで仮想マシン(変換対象のもの)をシャットダウンする必要があります。XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスでは、コピーしたメモリを使用して実行中の仮想マシンをvSphereからXenServerに変換することはできません。

また、変換する前に、VMware仮想マシンにネットワークとストレージ域コントローラーが存在することを確認してください。

変換プロセスには以下の4つのコンポーネントが必要です:

  • XenCenter - XenServer管理インターフェイスには、変換オプションを設定して変換を制御する変換ウィザードが含まれています。XenCenterはWindowsデスクトップにインストールできます。XenCenterがXenServerおよびXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスに接続できる必要があります。

  • XenServer Conversion Manager仮想アプライアンス - 事前にパッケージされた仮想マシン。変換した仮想マシンを実行するXenServerホストまたはプールにインポートします。仮想アプライアンスは、VMware ESXi/vCenter仮想マシンのコピーをXenServer仮想マシンフォーマットに変換します。変換後、これらのコピーをXenServerのプールまたはホストにインポートします。

  • XenServerスタンドアロンホストまたはプール - 変換した仮想マシンを実行するXenServer環境。

  • VMwareサーバー - XenServer Conversion Managerには、変換する仮想マシンを管理するVMwareサーバーへの接続が必要です。接続先のVMwareサーバーは、vCenter Server、ESXi Server、またはESX Serverである必要があります。仮想マシンはVMwareサーバーから削除されません。代わりに、XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスはこれらの仮想マシンのコピーを作成して、XenServer仮想マシンフォーマットに変換します。

次の図では、これらのコンポーネントの関係性を示しています

Conversion Manager仮想アプライアンスのファシリティ間通信

この図は以下を示しています:

  1. XenCenterとXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスの通信のしくみ
  2. VMwareサーバーによるXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスの認証のしくみ
  3. 変換中にVMwareサーバーがXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスに応答するしくみ

VMwareサーバーは、アプライアンスがVMwareサーバーにクエリを実行する際にのみ、変換を通した環境の情報とディスクデータについてXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスと通信を行います。

仮想マシン変換方法の概要

以下の簡単な手順でXenServer Conversion Manager仮想アプライアンスを設定して仮想マシンの変換を開始できます。

  1. XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスをXenServer downloadsページからダウンロードします。

  2. XenCenterを使用して、XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスをXenServerにインポートします。

  3. XenCenterを使用して、XenServer Conversion Manager仮想アプライアンスを設定します。

  4. XenCenterから変換ウィザードを起動し、仮想マシンの変換を開始します。

  5. Windows仮想マシンにWindows向けXenServer VM Toolsをインストールするなどの、変換後のタスクを完了します。Linux仮想マシンの場合、Linux向けXenServer VM Toolsは変換プロセス中にXenServer Conversion Managerによって自動的にインストールされます。

VMを変換すると、Conversion Managerは自動的にシャットダウンし、ホストのリソースを節約します。VMware ESXi/vCenter仮想マシンの変換方法について詳しくは、「Conversion Managerの利用を開始する」を参照してください。

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