ネットワークのトラブルシューティング
ネットワーク設定に問題が生じた場合は、まずコントロールドメインのifcfg-*
ファイルを直接変更していないことを確認します。ifcfg
ファイルは、コントロールドメインのホストエージェントによって直接管理され、変更内容は上書きされます。
ネットワーク障害を診断する
一部のモデルのネットワークカードでは、ベンダーからのファームウェアアップデートを適用しないと、特定の最適化機能を有効にした状態や過負荷状態で正しく動作しない場合があります。仮想マシンへのトラフィックが破損する場合は、ベンダーから最新のファームウェアを入手するようにしてから、それを使用してハードウェアをアップデートしてください。
ネットワークの問題が解決されない場合は、CLIを使用して物理インターフェイスの受信/送信オフロード最適化機能を無効にします。
警告:
受信/送信オフロード最適化機能を無効にすると、パフォーマンスが低下したりCPU使用率が増加したりすることがあります。
まず、その物理インターフェイスのUUIDを確認します。このとき、次のように、device
パラメーターでデバイスを指定できます:
xe pif-list device=eth0
<!--NeedCopy-->
次に、そのPIFに対して次のパラメーターを指定して、TXオフロード機能を無効にします。
xe pif-param-set uuid=pif_uuid other-config:ethtool-tx=off
<!--NeedCopy-->
最後に、変更を有効にするために、PIFを再プラグするかホストを再起動します。
緊急時のネットワークリセット
ネットワークの設定に不備があると、ネットワークが切断されます。ネットワーク接続がないと、XenCenterやリモートのSSHを使ってXenServerホストにアクセスできなくなります。このような問題が発生した場合は、緊急時のネットワークリセット機能を使用して、ホストのネットワークを簡単に復元およびリセットできます。
この機能は、CLIのxe-reset-networking
コマンドや、xsconsole
の [Network and Management Interface] セクションで実行できます。
ネットワークが切断される主な原因として、ネットワークインターフェイスの名前を変更したり、ボンディングやVLANを作成したり、管理インターフェイスを変更したりするときの設定ミスが挙げられます。たとえば、IPアドレスの入力ミスなどです。このユーティリティは、次のシナリオでも実行できます:
-
プールのローリングアップグレード、手作業でのアップグレード、Hotfixやドライバーのインストール時に接続が切断された場合、または
-
プールコーディネーターやメンバーホストがプール内のほかのホストと通信できなくなった場合。
ただし、xe-reset-networking
の機能を使用するのは緊急時のみにしてください。この機能により、そのホストのすべてのPIF、ボンディング、VLAN、およびトンネル設定が削除されます。仮想マシンのネットワークやVIFは削除されません。この機能を実行すると、実行中の仮想マシンが強制的にシャットダウンされます。このため、可能な場合は仮想マシンを正しくシャットダウンしておいてください。ネットワークをリセットする前に、管理ネットワークのIP設定(DHCPまたは固定アドレス)を変更できます。
プールコーディネーターでネットワークリセットが必要な場合は、まずプールコーディネーターでネットワークをリセットしてから、プールメンバーでネットワークリセットを適用します。その後で、すべてのプールメンバのネットワークをリセットして、プールのネットワーク設定を統一します。ネットワーク設定の統一がとれていることは、ライブマイグレーションにとって重要な要素です。
注:
ネットワークリセットや
xe host-management-reconfigure
によりプールコーディネーターのIPアドレス(管理インターフェイス)が変更された場合は、そのプール内のすべてのホストでもネットワークリセットを実行する必要があります。これにより、新しいIPアドレスでプールコーディネーターに接続できるようになります。この場合、プールコーディネーターのIPアドレスを正しく指定する必要があります。高可用性が有効なプールでネットワークリセット機能を使用することはサポートされません。このシナリオでネットワーク設定をリセットするには、まず高可用性を手動で無効にしてから、ネットワークリセットコマンドを実行する必要があります。
ネットワークリセットの検証
ネットワークリセット後の設定モードを指定したら、ホストの再起動後に適用される設定内容がxsconsole
およびCLIに表示されます。変更が必要な場合はここで変更します。これ以降の手順では変更できません。ホストを再起動したら、XenCenterまたはxsconsole
を使用して新しいネットワーク設定を確認できます。XenCenterでは、ホストの [ネットワーク] タブに新しいネットワーク設定が表示されます。xsconsoleでは、[Network and Management Interface]セクションに表示されます。
注:
緊急時のネットワークリセットは、ほかのプールメンバー上でも実行してください。これにより、プールコーディネーターからボンディング、VLAN、およびトンネルの設定が複製されます。
CLIを使用したネットワークリセット
次の表は、xe-reset-networking
コマンドで指定できるパラメーターの一覧です。
警告:
xe-reset-networking
コマンドのパラメーターは、慎重に使用してください。不適切なパラメーターを指定すると、ネットワークの接続や設定が失われることがあります。この場合、パラメーターを何も指定せずにxe-reset-networking
コマンドを再実行することをお勧めします。プール全体のネットワーク設定をリセットする場合は、まずプールコーディネーターから行い、引き続きすべてのプールメンバーのネットワークをリセットする必要があります。
パラメーター | 必須/オプション | 説明 |
---|---|---|
-m , --master
|
オプション | プールコーディネーターの管理インターフェイスのIPアドレスです。デフォルトは、プールコーディネーターで最後に使用されていたIPアドレスです。 |
--device |
オプション | 管理インターフェイスのデバイス名です。デフォルトは、インストール時に指定されたデバイス名です。 |
--mode=static |
オプション | 管理インターフェイスの静的IPアドレスを設定します。以下の4つのパラメーターを指定します。このパラメーターを指定しない場合は、DHCPが使用されます。 |
--ip |
必須、mode=static の場合 |
ホストの管理インターフェイスのIPアドレスです。mode=static の場合にのみ有効です。 |
--netmask |
必須、mode=static の場合 |
管理インターフェイスのネットマスクです。mode=static の場合にのみ有効です。 |
--gateway |
オプション | 管理インターフェイスのゲートウェイです。mode=static の場合にのみ有効です。 |
--dns |
オプション | 管理インターフェイスのDNSサーバーです。mode=static の場合にのみ有効です。 |
--vlan |
オプション | 管理インターフェイスのVLANタグ。デフォルトはインストール時に指定したVLANタグです。 |
プールコーディネーターでのコマンド例
ここでは、プールコーディネーターに対して実行するコマンドの例を挙げます:
DHCP環境でネットワーク設定をリセットするには
xe-reset-networking
<!--NeedCopy-->
静的IPアドレス環境でネットワーク設定をリセットするには:
xe-reset-networking --mode= static --ip=ip-address \
--netmask=netmask --gateway=gateway \
--dns=dns
<!--NeedCopy-->
初期セットアップ後に別のインターフェイスが管理インターフェイスになった場合にDHCP設定のネットワークをリセットするには:
xe-reset-networking --device=device-name
<!--NeedCopy-->
初期セットアップ後に別のインターフェイスが管理インターフェイスになった場合に静的IP設定のネットワークをリセットするには:
xe-reset-networking --device=device-name --mode=static \
--ip=ip-address --netmask=netmask \
--gateway=gateway --dns=dns
<!--NeedCopy-->
VLAN上の管理インターフェイスでネットワーク設定をリセットするには:
xe-reset-networking --vlan=VLAN TAG
<!--NeedCopy-->
注:
reset-network
コマンドは、IP構成設定とともに使用することもできます。
プールメンバでのコマンド例
プールマスターの例で挙げたすべてのコマンドは、プールメンバーにも適用されます。ただし、プールコーディネーターのIPアドレスの指定が必要になる場合があります(IPアドレスが変更された場合など)。
DHCP環境でネットワーク設定をリセットするには
xe-reset-networking
<!--NeedCopy-->
DHCP環境で、プールコーディネーターのIPアドレスが変更された場合にネットワーク設定をリセットするには:
xe-reset-networking --master=pool-coordinator-ip-address
<!--NeedCopy-->
静的IPアドレス環境で、プールコーディネーターのIPアドレスが変更されていない場合にネットワーク設定をリセットするには:
xe-reset-networking --mode=static --ip=ip-address --netmask=netmask \
--gateway=gateway --dns=dns
<!--NeedCopy-->
DHCP環境で、管理インターフェイスとプールコーディネーターのIPアドレスがインストール時の指定から変更された場合にネットワーク設定をリセットするには:
xe-reset-networking --device=device-name --master=pool-coordinator-ip-address
<!--NeedCopy-->