障害回復を有効にする
ここでは、XenCenterを使用して障害回復を有効にする方法について説明します。[障害回復の設定] オプションを使用して、プール内のすべての仮想マシンやvAppについての設定情報であるプールメタデータの格納先ストレージリポジトリを指定します。このメタデータは、管理者がプールの仮想マシンやvAppの設定を変更するたびにアップデートされます。
注:
障害回復を有効にできるのは、ストレージとしてHBA上のLVMまたはiSCSI上のLVMを使用する場合のみです。プールリカバリ情報を含む新しいLUNのために、このストレージに少量のスペースが必要です。
最初に、障害回復に使用しているストレージリポジトリがプライマリサイトで1つのプールにのみ接続され、セカンダリサイトのプールに接続されていないことを確認します。
障害回復を構成するには、次の手順を実行します。
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プライマリサイトでフェイルオーバー対象のリソースプールを選択します。[プール] メニューから [障害回復]、[設定] の順に選択します。
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プールメタデータの格納先として、最大で8つのストレージリポジトリを選択できます。プールリカバリ情報を含む新しいLUNのために、このストレージに少量のスペースが必要です。
注:
プール内のすべての仮想マシンの上方が格納されます。仮想マシンを個別に選択する必要はありません。
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[OK]を選択します。これでプールの障害回復が有効になりました。
障害発生時の仮想マシンとvAppの回復(フェイルオーバー)
ここでは、障害発生時に仮想マシンやvAppをセカンダリ(障害回復)サイトにフェイルオーバーする方法について説明します。
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XenCenterで、セカンダリサイトのリソースプールを選択し、[プール] メニューから [障害回復]、[障害回復ウィザード] の順に選択します。
この障害回復ウィザードでは、実行する操作として[フェイルオーバー]、[フェイルバック]、または [フェイルオーバーテスト]を選択できます。仮想マシンやvAppをセカンダリサイトにフェイルオーバーするには、[フェイルオーバー] をクリックして [次へ] を選択します。
警告:
ファイバチャネル共有ストレージでLUNミラー化によるセカンダリサイトへのデータ複製を行っている場合は、回復を実行する前にミラー化を無効にする必要があります。これにより、セカンダリサイトからの読み取りおよび書き込みアクセスが可能になります。
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回復対象の仮想マシンやvAppのプールメタデータを格納しているストレージリポジトリを選択します。
デフォルトでは、このウィザードの一覧にプール内で接続されているすべてのストレージリポジトリが表示されます。ほかのストレージリポジトリを検出するには、[ストレージ リポジトリの検出] をクリックして、目的のストレージの種類を選択します。
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ハードウェアHBAストレージリポジトリを検出するには、[ハードウェアHBA SRの検出]を選択します。
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ソフトウェアiSCSIストレージリポジトリを検出するには、[ソフトウェアiSCSI SRの検出]を選択して、ターゲットホスト、IQN、およびLUNの情報を指定します。
ストレージリポジトリを選択したら、[次へ]をクリックして次のページに進みます。
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回復する仮想マシンとvAppを選択します。適切な [回復後の電源状態] オプションを選択して、回復後にウィザードがこれらを自動的に起動するかを指定します。または、フェイルオーバーの完了後に手動で起動することもできます。
[次へ] を選択して次のページに進み、事前チェックを開始します。
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このウィザードでは、対象の仮想マシンやvAppが正しくセカンダリサイトにフェイルオーバーされるように、事前にいくつかのチェックが実行されます。たとえば、選択した仮想マシンやvAppに必要なストレージが使用可能かどうかがチェックされます。この時点でストレージが見つからない場合は、このページの [SRの接続] を選択して適切なストレージリポジトリを接続できます。
事前チェックで見つかったすべての問題を解決したら、[フェイルオーバー] を選択します。回復処理が開始されます。
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進行状況のページに、各仮想マシンやvAppの回復処理が成功したかが表示されます。フェイルオーバー処理は、複製されたストレージから仮想マシンおよびvAppのメタデータをエクスポートします。したがって、フェイルオーバーに要する時間は、回復する仮想マシンおよびvAppによって異なります。それらの仮想マシンやvAppがプライマリサイトのプールで再作成された後、仮想ディスクを格納しているストレージリポジトリが仮想マシンに接続され、指定されている場合、仮想マシンが起動します。
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フェイルオーバーが完了したら、[次へ] を選択して結果レポートを表示します。結果レポートのページで[完了]をクリックして、ウィザードを終了します。
プライマリサイトが障害から復帰した後、仮想マシンをプライマリサイトに復元するには、再度障害回復ウィザードを使用して [フェイルバック] オプションを選択します。
障害発生後の仮想マシンとvAppのプライマリサイトへの復元(フェイルバック)
このセクションでは、複製ストレージから仮想マシンおよびvAppを復元する方法について説明します。プライマリサイト(実稼働環境)が障害から復帰した後で、仮想マシンやvAppを複製ストレージからプライマリサイトに復元(フェイルバック)できます。仮想マシンやvAppをプライマリサイトにフェイルバックするには、障害回復ウィザードを使用します。
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XenCenterで、プライマリサイトのリソースプールを選択し、[プール]メニューから [障害回復]、[障害回復ウィザード] の順に選択します。
この障害回復ウィザードでは、実行する操作として[フェイルオーバー]、[フェイルバック]、または [フェイルオーバーテスト]を選択できます。仮想マシンやvAppをプライマリサイトにフェイルバックするには、[フェイルバック] をクリックして [次へ] を選択します。
警告:
ファイバチャネル共有ストレージでLUNミラー化によってプライマリサイトにデータを複製する場合は、復元を実行する前にミラー化を無効にする必要があります。プライマリサイトに読み取り/書き込みアクセス権があることを確認するには、ミラーリングを解除する必要があります。
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回復対象の仮想マシンやvAppのプールメタデータを格納しているストレージリポジトリを選択します。
デフォルトでは、このウィザードの一覧にプール内で接続されているすべてのストレージリポジトリが表示されます。ほかのストレージリポジトリを検出するには、[ストレージリポジトリの検出]をクリックして、目的のストレージの種類を選択します。
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ハードウェアHBAストレージリポジトリを検出するには、[ハードウェアHBA SRの検出]を選択します。
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ソフトウェアiSCSIストレージリポジトリを検出するには、[ソフトウェアiSCSI SRの検出]を選択して、ターゲットホスト、IQN、およびLUNの情報を指定します。
ストレージリポジトリを選択したら、[次へ]をクリックして次のページに進みます。
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復元する仮想マシンとvAppを選択します。適切な [回復後の電源状態] オプションを選択して、回復後にウィザードがこれらを自動的に起動するかを指定します。または、フェイルバックの完了後に手動で起動することもできます。
[次へ] を選択して次のページに進み、事前チェックを開始します。
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このウィザードでは、正しくフェイルバックされるように、事前にいくつかのチェックが実行されます。たとえば、選択した仮想マシンやvAppに必要なストレージが使用可能かどうかがチェックされます。この時点でストレージが見つからない場合は、このページの [SRの接続] を選択して適切なストレージリポジトリを接続できます。
事前チェックで見つかったすべての問題を解決したら、[フェイルバック] を選択します。回復処理が開始されます。
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進行状況のページに、各仮想マシンやvAppの回復処理が成功したかが表示されます。フェイルバック処理は、複製されたストレージから仮想マシンおよびvAppのメタデータをエクスポートします。そのため、選択した仮想マシンやvAppの数によっては、フェイルバック処理に時間がかかることがあります。それらの仮想マシンやvAppがプライマリサイトのプールで再作成された後、仮想ディスクを格納しているストレージリポジトリが仮想マシンに接続され、指定されている場合、仮想マシンが起動します。
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フェイルオーバーが完了したら、[次へ] を選択して結果レポートを表示します。結果レポートのページで[完了]をクリックして、ウィザードを終了します。
フェイルオーバーテスト
フェイルオーバーテストは、障害回復を計画するときに重要な機能です。障害回復ウィザードを使って、中断することなく障害回復システムのテストを実行することができます。このテストでは、通常のフェイルオーバーと同じ処理が実行されますが、障害回復サイトにエクスポートされた仮想マシンやvAppは一時停止状態で起動します。テストが完了すると、これらの仮想マシンやvApp、および再作成されたストレージが障害回復サイトから自動的に削除されます。障害回復の初回設定時、および障害回復が有効なプールの構成を大幅に変更したときに、フェイルオーバーテストを実行して障害回復が正しく機能することを確認します。
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XenCenterで、セカンダリサイトのリソースプールを選択し、[プール] メニューから [障害回復]、[障害回復ウィザード] の順に選択します。
この障害回復ウィザードでは、実行する操作として[フェイルオーバー]、[フェイルバック]、または [フェイルオーバーテスト]を選択できます。障害回復システムをテストするには、[フェイルオーバーテスト] を選択し、[次へ] を選択します。
注:
ファイバチャネル共有ストレージでLUNミラー化によるセカンダリサイトへのデータ複製を行っている場合は、回復を実行する前にミラー化を無効にする必要があります。これにより、セカンダリサイトからの読み取りおよび書き込みアクセスが可能になります。
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回復対象の仮想マシンやvAppのプールメタデータを格納しているストレージリポジトリを選択します。
デフォルトでは、このウィザードの一覧にプール内で接続されているすべてのストレージリポジトリが表示されます。ほかのストレージリポジトリを検出するには、[ストレージ リポジトリの検出] をクリックして、目的のストレージの種類を選択します:
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ハードウェアHBAストレージリポジトリを検出するには、[ハードウェアHBA SRの検出]を選択します。
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ソフトウェアiSCSIストレージリポジトリを検出するには、[ソフトウェアiSCSI SRの検出] を選択して、ターゲットホスト、IQN、およびLUNの情報を指定します。
ストレージリポジトリを選択したら、[次へ]をクリックして次のページに進みます。
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フェイルオーバーする仮想マシンやvAppを選択し、[次へ] を選択して次のページに進み、事前チェックを開始します。
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フェイルオーバーテストを開始する前に、ウィザードはいくつかの事前チェックを実行します。たとえば、選択した仮想マシンやvAppに必要なストレージが使用可能かどうかがチェックされます。
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ストレージが使用可能かどうかのチェック。必要なストレージが見つからない場合は、このページの[SRの接続]をクリックして適切なストレージリポジトリを接続できます。
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障害回復サイトのプールで高可用性が無効になっているかどうかのチェック。プライマリプールとDRプールの両方で同じ仮想マシンを実行しないようにするには、セカンダリプールで高可用性を無効にする必要があります。回復後に回復された仮想マシンおよびvAppが自動的に起動しないようにするには、高可用性を無効にする必要があります。セカンダリサイトのプールの高可用性を無効にするには、[高可用性の無効化] をクリックしますここで無効にした高可用性機能は、フェイルオーバーテストの完了時に自動的に有効になります。
事前チェックで見つかったすべての問題を解決したら、[フェイルオーバー] を選択します。フェイルオーバーテストが開始されます。
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進行状況のページに、各仮想マシンやvAppの回復処理が成功したかが表示されます。フェイルオーバー処理は、複製されたストレージから仮想マシンおよびvAppのメタデータを回復します。そのため、選択した仮想マシンやvAppの数によっては、フェイルオーバー処理に時間がかかることがあります。それらの仮想マシンやvAppがセカンダリサイトのプールで再作成された後、仮想ディスクを格納しているストレージリポジトリが仮想マシンに接続されます。
フェイルオーバーテストでは、セカンダリサイトにフェイルオーバーされた仮想マシンは実行されず、一時停止状態になります。
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フェイルオーバーテストに成功したら、[次へ]を選択します。これにより、障害回復サイトがクリーンアップされます:
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フェイルオーバーにより再作成された仮想マシンやvAppが、ここで削除されます。
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これにより、DRサイトがクリーンアップされます。
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フェイルオーバーテストの事前チェック時にセカンダリサイトのプールの高可用性を無効にした場合は、ここで自動的に有効になります。
障害回復サイトのクリーンアップ処理の進行状況がウィザードに表示されます。
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[完了]を選択してウィザードを終了します。