既存バージョンからのアップグレード
ここでは、XenCenterまたはxe CLIを使用してCitrix Hypervisorにアップグレードする方法について説明します。リソースプールやスタンドアロンのCitrix Hypervisorサーバーを自動的に(XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードを使用して)アップグレードしたり、手作業でアップグレードしたりする手順について説明します。
基本インストールISOを使用した、XenServer 7.1累積更新プログラム2(LTSR)からCitrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1へのアップグレードは、以前はテストされサポートされていました。ただし、XenServer 7.1累積更新プログラム2はサポートが終了したため、このバージョンからCitrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1にアップグレードすることはできなくなりました。
サポートが終了したバージョンのXenServerおよびCitrix Hypervisorでは、Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1に直接アップグレードすることはできません。基本インストールISOを使用してクリーンインストールを実行します。詳しくは、「インストール」を参照してください。
注:
以前のCitrix HypervisorまたはXenServerのインストールから仮想マシンを保持するには、アップグレードパスを使用できない場合、仮想マシンをエクスポートし、それをCitrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1のクリーンインストールにインポートします。サポートされているバージョンのCitrix HypervisorまたはXenServerからエクスポートされた仮想マシンは、Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1にインポートできます。詳しくは、「仮想マシンのインポートとエクスポート」を参照してください。
はじめに
アップグレードを開始する前に、次の情報を確認してください。アップグレードプロセスを確実に成功させるために必要な手順を実行します。
- Citrix Hypervisorサーバー、特にCitrix Hypervisorサーバーのプールをアップグレードするときは、慎重に計画し、実行する必要があります。既存のデータが失われないように、次のいずれかを行います:
- アップグレードパスを慎重に決定します。
- XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードを使用します。また、インストーラーの画面で必ず [アップグレード] オプションを選択してください。
-
プールがインストールされているハードウェアが、アップグレードしようとしているバージョンのCitrix Hypervisorと互換性があることを確認してください。詳しくは、ハードウェア互換性リスト(HCL) を参照してください。
-
ホストのアップグレードにXenCenterを使用している場合は、XenCenterの最新バージョンをCitrix Hypervisorダウンロードサイトからダウンロードしてインストールします。
たとえば、Citrix Hypervisor 8.2にアップグレードする場合は、Citrix Hypervisor 8.2向けの最新バージョンのXenCenterを使用します。以前のバージョンのXenCenterを使用した新しいバージョンのCitrix Hypervisorへのアップグレードはサポートされていません。
-
VMのオペレーティングシステムが、アップグレードしようとしているバージョンのCitrix Hypervisorによってサポートされていることを確認してください。VMのオペレーティングシステムがそのバージョンCitrix Hypervisorでサポートされていない場合は、VMのオペレーティングシステムをサポートされるバージョンにアップグレードします。詳しくは、「ゲストオペレーティングシステムのサポート」を参照してください。
-
準仮想化(PV)VMは、Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1ではサポートされていません。32ビットPV VMは、Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1サーバーで起動できません。アップグレードする前に、プールからPV VMを削除するか、VMをサポートされているバージョンのオペレーティングシステムにアップグレードしてください。詳しくは、「PVからHVMゲストへのアップグレード」を参照してください。
以前のバージョンのCitrixライセンスサーバー仮想アプライアンスはPVモードで実行されます。Citrix Hypervisor 8.2 Cumulative Update 1へのアップグレードの一環として、Windowsベースの Citrixライセンス サーバーの使用に移行することをお勧めします。
-
アップグレードの一部として移行されるWindows VMがプールで実行されている場合は、VMごとに次の手順を実行します:
- 最新バージョンのWindows向けXenServer VM Toolsがインストールされていることを確認します
- 仮想マシンのスナップショットを作成します
-
アップグレードの一部として移行されるプールでLinux VMを実行している場合は、Linux向けCitrix VM Toolsの最新バージョンがインストールされていることを確認してください。
-
手動によるアップグレード処理では、SANブート設定が保持されません。ISOまたはPXEを使用してアップグレードする場合は、
multipathd
が正しく設定されるように、後述のインストール手順に従う必要があります。詳しくは、「SAN環境からの起動」を参照してください。 -
休止スナップショットはサポートされなくなりました。休止スナップショットを作成する既存のスナップショットスケジュールがある場合、これらのスナップショットスケジュールはアップグレード後に失敗します。スナップショットの作成を継続するには、アップグレードを実行する前に既存のスケジュールを削除し、非休止スナップショットを作成する新しいスケジュールを作成します。
-
従来のSSLモードはサポートされなくなりました。Citrix Hypervisorで最新バージョンにアップグレードする前に、プール内のすべてのホストでこのモードを無効にしてください。従来のSSLモードを無効にするには、アップグレードを開始する前にプールマスターで次のコマンドを実行します:
xe pool-disable-ssl-legacy uuid=<pool_uuid>
-
Container Management Supplemental Packはサポートされなくなりました。Citrix Hypervisorの最新バージョンにアップデートまたはアップグレードすると、このサプリメンタルパックの機能を使用できなくなります。
-
Citrix Hypervisorをアップグレードすると、以前に適用されたサプリメンタルパックが削除されるため、アップグレード中またはアップグレード後に再適用する必要があります。
-
vSwitch Controllerはサポートされなくなりました。Citrix Hypervisorで最新バージョンにアップグレードする前に、vSwitch Controllerをプールから切断してください。アップグレード後に、次の構成変更が行われます:
- サーバー間のプライベートネットワークが、単一サーバーのプライベートネットワークに戻ります。
- DVSCコンソールで行ったQoS(サービス品質)設定は適用されなくなりました。ネットワークレート制限は適用されなくなりました。
- ACL規則が削除されます。仮想マシンからのすべてのトラフィックが許可されます。
- ポートミラーリング(RSPAN)が無効になります。
更新またはアップグレード後に、vSwitch Controllerの前の状態がプール内に残っていることが明らかになった場合は、次のCLIコマンドを実行して、その状態を削除します:
xe pool-set-vswitch-controller address=
プールのローリングアップグレード
Citrix Hypervisorでは、プールのローリングアップグレードを実行できます。プールのローリングアップグレードでは、プールのサービスやリソースの提供を中断することなく、そのプール内のすべてのホストをアップグレードできます。このアップグレード方法では、複数のCitrix Hypervisorサーバーが同時にオフラインになることはありません。この間、アップグレード対象のホスト上で実行中の仮想マシンは自動的にほかのホスト上に移行されます。
注:
プールのローリングアップグレード中も仮想マシンの実行を続けるには、プールに共有ストレージが必要です。プールに共有ストレージがない場合、仮想マシンはライブマイグレーションができないため、アップグレード前に仮想マシンを停止する必要があります。
ストレージライブマイグレーションは、プールのローリングアップグレードではサポートされていません。
プールのローリングアップグレードは、XenCenterまたはxe CLIを使用して実行できます。XenCenterを使用している場合は、プールのローリングアップグレードウィザードの使用をお勧めします。このウィザードでは、アップグレードパスが自動的に構成され、アップグレード手順が順番に表示されます。xe CLIでは、まずアップグレードパスを決定して、実行中の仮想マシンをCitrix Hypervisorサーバー間でライブマイグレーションしながら、プールのローリングアップグレードを手動で実行する必要があります。
プールのローリングアップグレードウィザードは、ライセンスを取得したCitrix Hypervisorのユーザー、またはCitrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorのライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorライセンスをアップグレードまたは購入するには、Citrix Webサイトにアクセスしてください。
重要:
SANブート環境では、プールのローリングアップグレードを実行しないでください。SANブート環境でのアップグレードについては、「SAN環境からの起動」を参照してください。
XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードを使用したCitrix Hypervisorサーバーのアップグレード
プールのローリングアップグレードウィザードでは、Citrix Hypervisorサーバー、プール、またはスタンドアロンのホストを最新バージョンのCitrix Hypervisorにアップグレードできます。
プールのローリングアップグレードウィザードでは、アップグレードパスが自動的に構成され、アップグレード手順が順番に表示されます。リソースプールでは、プールマスターが最初にアップグレードされ、ほかのホストが順番にアップグレードされます。アップグレードの前に、ウィザードによりいくつかの事前チェックが実行されます。これにより、高可用性などのプールレベルの機能が一時的に無効になっており、個々のホストでアップグレードの準備が完了しているかどうかが確認されます。ローリングアップグレードでは、プール内のホストが1台ずつオフラインになり、アップグレードがインストールされます。そのホスト上で実行中の仮想マシンは、自動的にほかのホスト上に移行されます。
プールのローリングアップグレードウィザードでは、新しいバージョンのCitrix Hypervisorにアップグレードするときに、利用可能なHotfix を自動的に適用することもできます。これにより、スタンドアロンのホストまたはプールを、最小限の再起動回数で最新の状態にすることができます。この機能を使用するには、アップグレードプロセス中にインターネットに接続する必要があります。
Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1とともに発行されたXenCenterを使用して、サポート対象バージョンのCitrix HypervisorまたはXenServerからアップグレードする場合は、Hotfix 自動適用機能を利用できます。
注:
XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードは、ライセンスを取得したCitrix Hypervisorのユーザー、またはCitrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーのみが使用できます。
このウィザードでは、アップグレードモードとして [手動モード] または [自動モード] を選択できます。
-
手動モードでは、各ホスト上でCitrix Hypervisorインストーラーを順次手作業で実行して、ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従ってアップグレードします。アップグレードが開始されると、アップグレード対象の各ホストについて、XenCenterインストールメディアの挿入またはネットワークブートサーバーの指定を確認するメッセージがXenCenterに表示されます。
-
自動モードでは、HTTP、NFS、またはFTPサーバー上のインストールファイルにより、プール内のすべてのホストが自動的にアップグレードされます。このモードでは、インストールメディアを挿入したり、ホストを再起動したり、各ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従って操作したりする必要はありません。この方法では、インストールメディアの内容をHTTP、NFS、またはFTPサーバー上にコピーしておく必要があります。
注:
IISを使用してインストールメディアをホストしている場合は、IISでインストールISOを抽出する前に、二重エスケープが有効になっていることを確認してください。
アップグレードの前に
アップグレードを行う前に、以下の準備を行います:
-
Citrix Hypervisor製品のダウンロードページから、Citrix Hypervisor 8.2累積更新プログラム1用に提供されている最新バージョンのXenCenterをダウンロードしてインストールします。以前のバージョンのXenCenterを使用した新しいバージョンのCitrix Hypervisorへのアップグレードはサポートされていません。
-
pool-dump-database
xe CLIコマンドを使用して、アップグレード前のプールをバックアップしておくことを強くお勧めします。詳しくは、「コマンドラインインターフェイス」を参照してください。これにより、仮想マシンデータを失うことなく、ローリングアップグレードを中断して元の状態に戻すことも可能になります。 -
各サーバーで、アップグレードに必要なメモリが使用可能であることを確認してください。
一般的に、プール内のホストの数をNとすると、プール内で実行されているすべての仮想マシンに十分な量のメモリが(N-1)台のホストで提供されなければなりません。このため、不要な仮想マシンをすべてサスペンド状態にしておくことをお勧めします。
-
プールに実行されているvGPU対応仮想マシンがある場合、仮想マシンの実行中にプールを移行するための次の手順を完了してください:
- 使用しているGPUがアップグレード先のバージョンでサポートされていることを確認してください。
- 現在のバージョンのCitrix Hypervisorおよびアップグレード先のバージョンのCitrix Hypervisorの両方で使用できるNVIDIAドライバーを見つけます。可能であれば、入手可能な最新のドライバーを選択してください。
- 使用中のCitrix Hypervisorサーバーに新しいNVIDIAドライバーをインストールして、vGPU対応仮想マシンに一致するゲストドライバーをインストールします。
- アップグレード先のCitrix Hypervisorのバージョンに一致するバージョンのNVIDIAドライバーがあることも確認してください。プールのローリングアップグレードプロセスで、これらのドライバーをサプリメンタルパックとしてインストールするように求められます。
プールのローリングアップグレードウィザードでは、以下の項目がチェックされます。アップグレード前に、以下の項目を確認してください:
-
プール内の各仮想マシンのCD/DVDドライブを空にします。
-
高可用性を無効にします。
アップグレードプロセス
XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードを使用したCitrix Hypervisorホストをアップグレードするには:
-
プールのローリングアップグレードウィザードを開きます。これを行うには、[ツール]メニューの[プールのローリングアップグレード]を選択します。
-
[はじめに] ページの注意事項を確認して、[次へ] をクリックします。
-
アップグレードするリソースプールまたは個々のホストを選択して、[次へ] をクリックします。
- 次のいずれかのモードを選択します:
- 既存のHTTP、NFS、またはFTPサーバー上のインストールファイルを使った自動アップグレードを行う場合は [自動モード]
- USB/CD/DVDドライブのインストールメディアまたはネットワークブートサーバーを使った手動アップグレードを行う場合は [手動モード]
注:
自動モードを選択し、IISを使用してインストールメディアをホストしている場合は、IISでインストールISOを抽出する前に、二重エスケープが有効になっていることを確認してください。
[手動モード] を選択した場合、各ホスト上でCitrix Hypervisorインストーラーを順次実行して、ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従ってアップグレードする必要があります。アップグレードが開始されると、アップグレード対象の各ホストについて、Citrix Hypervisorインストールメディアの挿入またはネットワークブートサーバーの指定を確認するメッセージがXenCenterに表示されます。
-
新しいバージョンにアップグレードした後に、XenCenterで自動的に最小限のアップデート(Hotfix )をダウンロードしてインストールするかを選択します。アップデートを適用するオプションは、デフォルトで選択されています。ただし、アップデートをダウンロードしてインストールするには、インターネット接続が必要です。
-
アップグレードモードを選択したら、[事前チェックの実行] をクリックします。
-
事前チェックにより問題が見つかった場合は、適切な解決処置を行います。[すべて解決] をクリックすると、XenCenterにより問題の解決が試行されます。
すべての問題を解決したら、[次へ] をクリックします。
-
Citrix Hypervisorインストールメディアを用意します。
[自動モード] を選択した場合は、ネットワーク上のインストールメディアに接続するための情報を入力します。[HTTP]、[NFS] または [FTP] を選択して、パス、ユーザー名、およびパスワードを入力します。
注:
-
[FTP]を選択する場合は、URLのファイルパスセクションにある先頭のスラッシュをエスケープしてください。
-
HTTPまたはFTPサーバーにアクセスするための資格情報が必要な場合は、HTTPまたはFTPサーバーに関連付けられているユーザー名およびパスワードを入力します。Citrix Hypervisorプールに関連付けられているユーザー名とパスワードは入力しないでください。
-
Citrix Hypervisorは、パッシブモードの場合のみ、FTPをサポートします。
[手動モード] を選択した場合は、表示されるアップグレードプランおよび手順を確認します。
[アップグレードの開始] をクリックします。
-
-
アップグレードを開始すると、各ホストのアップグレードに必要な手順がプールのローリングアップグレードウィザードに表示されます。この手順に従って、プールのすべてのホストをアップグレードおよびアップデートします。
vGPU対応仮想マシンがある場合、サプリメンタルパックを指定するオプションを選択する段階で、vGPU対応仮想マシンの一致するNVIDIAドライバーをアップロードします。アップグレード先のCitrix Hypervisorのバージョンに対応したバージョンのドライバーをアップロードしてください。
注:
何らかの理由でアップグレードまたはアップデートプロセスが失敗した場合、プールのローリングプアップグレードウィザードはプロセスを停止します。これによって、[再試行] ボタンをクリックして問題を修正し、アップグレードまたはアップデートプロセスを再開できます。
- アップグレードが完了すると、プールのローリングアップグレードウィザードにその結果が表示されます。[完了]をクリックしてウィザードを終了します。
注:
プールのローリングアップグレードが完了した後、VMがそのホームサーバーに配置されていない場合があります。VMを再配置するには、次のいずれかの操作を実行します:
- VMをホームサーバーにライブマイグレーションする
- VMをシャットダウンし、ホームサーバーで起動する
xe CLIを使用したCitrix Hypervisorサーバーのアップグレード
xe CLIを使用してプールをローリングアップグレードする場合は、慎重に計画する必要があります。以下の説明をよく読んでからアップグレードを始めてください。
アップグレードパスを計画する
以下の点に注意してください:
-
仮想マシンは、Citrix Hypervisorの以前のバージョンを実行しているCitrix Hypervisorサーバーから同じバージョン以上を実行しているホストにのみ移行できます。たとえば、バージョン7.0からバージョン7.1累積更新プログラム2に、またはバージョン7.1累積更新プログラム2からバージョン8.2累積更新プログラム1に移行できます。
アップグレード済みのホストから、アップグレード前のCitrix Hypervisorを実行しているホストに仮想マシンを移行することはできません。たとえば、バージョン8.2累積更新プログラム1からバージョン7.1累積更新プログラム2には移行できません。状況に応じて、Citrix Hypervisorサーバーにスペースを確保してください。
-
混在モード(Citrix Hypervisorの複数のバージョンが共存する状態)のプールを必要以上に継続運用することは極力避けるよう、強くお勧めします。ローリングアップグレード中のプールは、パフォーマンスが低下します。
-
アップグレードの間、一部の制御機能は使用できなくなります。制御操作はしないでください。仮想マシンは通常どおり動作を続けますが、移行を除く主な仮想マシン操作(シャットダウン、コピー、エクスポートなど)を実行することは避けてください。特に、仮想ディスクの追加、削除、またはサイズ変更などのストレージ関連の操作を行うと、予期せぬ問題が発生することがあります。
-
常にプールマスターを最初にアップグレードしてください。また、アップグレード時に、XenCenterでプールマスターを保守モードに切り替えないでください。プールマスターが保守モードになると、新しいプールマスターが選出されてしまいます。
-
ホストをアップグレードしたら、アップグレード済みバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされているHotfix を適用してから仮想マシンを移行します。
-
pool-dump-database
xe CLIコマンドを使用して、アップグレード前のプールをバックアップしておくことを強くお勧めします。詳しくは、「コマンドラインインターフェイス」を参照してください。これにより、仮想マシンデータを失うことなく、ローリングアップグレードを中断して元の状態に戻すことも可能になります。何らかの理由でローリングアップグレードを元に戻す必要が生じた場合、仮想マシンのシャットダウンが必要になることがあります。アップグレード済みのCitrix Hypervisorサーバーからアップグレード前のCitrix Hypervisorホストに仮想マシンを移行することはできないため、この操作が必要です。
プールをローリングアップグレードする前に
-
XenCenterを使用する場合は、Citrixダウンロードサイトで入手できるXenCenterを最新バージョンにアップグレードします。最新バージョンのXenCenterを使用して、古いバージョンが動作するCitrix Hypervisorサーバーを管理することもできます。
-
プール内の各仮想マシンのCD/DVDドライブを空にします。詳細と手順については、「単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に」を参照してください。
-
高可用性を無効にします。
xe CLIを使用してプールのローリングアップグレードを実行する
-
プールマスターを最初にアップグレードします。
host-disable
コマンドを使用して、プールマスターを無効にします。これにより、このホスト上で新しい仮想マシンが起動することを防ぎます。 -
プールマスター上で仮想マシンが実行されていないことを確認します。実行されている場合は、シャットダウンまたはサスペンド状態にするか、プール内のほかのホストに移行します。
仮想マシンを特定のホストに移行するには、
vm-migrate
コマンドを使用します。vm-migrate
コマンドでは、移行対象の仮想マシンおよび移行先ホストを指定できます。すべての仮想マシンをプール内のほかのホストにライブマイグレーションするには、
host-evacuate
コマンドを使用します。host-evacuate
コマンドでは、Citrix Hypervisorにより移行先ホストが決定されます。 -
プールマスターをシャットダウンします。
重要:
プールマスターのアップグレードが完了するまで、このホストに接続できなくなります。プールマスターをシャットダウンすると、プール内の他のホストが緊急モードに入ります。プールマスターへの接続が切断され、何回かの接続試行後も再接続できない場合に、そのプールのホストが緊急モードに切り替わります。仮想マシンはホストで引き続き緊急モードで実行されますが、制御操作はできません。
-
Citrix Hypervisorインストールメディア(USBまたはネットワーク上のインストールファイル)からプールマスターを起動します。Citrix Hypervisorのインストール手順に従って操作し、アップグレードの画面まで進めます。アップグレードを実行します。詳しくは、「インストール」を参照してください。
警告:
-
既存のデータが失われないように、必ずアップグレードオプションを選択してください。
-
プールマスターのアップグレードが中断された場合、または何らかの理由でアップグレードに失敗した場合は、アップグレードを続行しないでください。プールマスターを再起動して、正常なバージョンに復元してください。
プールマスターが再起動するとほかのホストの緊急モードが終了し、しばらくして通常のサービスが復元されます。
-
-
新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfix をプールマスターに適用します。
-
プールマスター上でシャットダウン状態またはサスペンド状態にしておいた仮想マシンを起動または再開します。また、ほかのホストに移行しておいた仮想マシンを必要に応じてプールマスターに戻します。
-
計画したアップグレードパスで次のアップグレード対象になっているCitrix Hypervisorサーバーを選択し、そのホストを無効にします。
-
そのホスト上で仮想マシンが実行されていないことを確認します。実行されている場合は、シャットダウンまたはサスペンド状態にするか、プール内のほかのホストに移行します。
-
ホストをシャットダウンします。
-
上記の手順4.のプールマスターと同様の手順で、ホストをアップグレードします。
注:
プールマスター以外のホストのアップグレードが中断された場合、またはアップグレードに失敗した場合は、ホストを復元する必要はありません。この場合、
host-forget
コマンドを実行してそのホストの接続を消去し、Citrix Hypervisorを再インストールしてください。その後で、pool-join
コマンドを使用してそのホストをプールに追加します。 -
新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfix をホストに適用します。
-
ホスト上でシャットダウン状態またはサスペンド状態にしておいた仮想マシンを起動または再開します。また、ほかのホストに移行しておいた仮想マシンを必要に応じて元のホストに戻します。
-
プール内の残りのホストについて、手順6~10を繰り返します。
xe CLIを使用した単一のCitrix Hypervisorサーバーのアップグレード
単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に
スタンドアロンのCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に、そのホスト上で実行されている仮想マシンをシャットダウンまたはサスペンドする必要があります。仮想マシンをサスペンドする場合は、その仮想マシンのCD/DVDドライブを空にしておく必要があります。CD/DVDドライブにディスクが挿入されたまま仮想マシンを一時停止した場合、ホストのアップグレード後にその仮想マシンを再開できなくなることがあります。
仮想マシンのCD/DVDドライブを空にするとは、ISOイメージやCitrix Hypervisorサーバーの物理CD/DVDが仮想マシンにマウントされていない状態にすることです。また、Citrix Hypervisorサーバーの物理CD/DVDドライブに仮想マシンが接続されていないことを確認する必要があります。
xe CLIを使用して仮想マシンのCD/DVDドライブを空にするには:
-
CD/DVDドライブが空になっていない仮想マシンを特定します。これを行うには、次のコマンドを実行します:
xe vbd-list type=CD empty=false <!--NeedCopy-->
これにより、以下のように、CD/DVDドライブが空でない仮想マシンの一覧が表示されます:
uuid ( RO) : abae3997-39af-2764-04a1-ffc501d132d9 vm-uuid ( RO): 340a8b49-866e-b27c-99d1-fb41457344d9 vm-name-label ( RO): VM02_DemoLinux vdi-uuid ( RO): a14b0345-b20a-4027-a233-7cbd1e005ede empty ( RO): false device ( RO): xvdd uuid ( RO) : ec174a21-452f-7fd8-c02b-86370fa0f654 vm-uuid ( RO): db80f319-016d-0e5f-d8db-3a6565256c71 vm-name-label ( RO): VM01_DemoLinux vdi-uuid ( RO): a14b0345-b20a-4027-a233-7cbd1e005ede empty ( RO): false device ( RO): xvdd <!--NeedCopy-->
この一覧から、仮想マシンの
uuid
(最初の項目)を控えておきます。 -
次のコマンドを実行して、仮想マシンのCD/DVDドライブを空にします:
xe vbd-eject uuid=uuid <!--NeedCopy-->
xe CLIを使用した単一のCitrix Hypervisorサーバーのアップグレード
xe CLIを使用して単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードするには:
-
次のコマンドを実行して、アップグレードするCitrix Hypervisorサーバーを無効にします:
xe host-disable host-selector=host_selector_value <!--NeedCopy-->
無効にしたCitrix Hypervisorサーバー上では、仮想マシンの作成や起動ができなくなります。また、そのホスト上に仮想マシンを移行することもできません。
-
xe vm-shutdown
またはxe vm-suspend
コマンドを実行して、アップグレードするホスト上で実行されている仮想マシンをシャットダウンまたは一時停止します。 -
xe host-shutdown
コマンドを実行して、ホストをシャットダウンします。 -
Citrix Hypervisorのインストール手順に従って操作し、アップグレードの画面まで進めます。アップグレードを実行します。詳しくは、「インストール」を参照してください。
警告:
既存のデータが失われないように、必ずアップグレードオプションを選択してください。
アップグレードインストールの場合、設定内容を再入力する必要はありません。アップグレードでは、新規インストールと同様の画面が表示されますが、いくつかの手順が省略され、既存のネットワーク設定やシステムの日時設定などは保持されます。
ホストが再起動してしばらくすると、通常のサービスが再開されます。
-
新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfix を適用します。
-
シャットダウンまたはサスペンドした仮想マシンを起動または再開します。