インストールと展開のシナリオ
ここでは、以下の一般的なインストールおよび展開のシナリオについて説明します:
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ローカルストレージを備えた1つ以上のCitrix Hypervisorサーバー
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共有ストレージを備えたCitrix Hypervisorサーバーのプール:
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共有NFSストレージを備えた複数のCitrix Hypervisorサーバー
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共有iSCSIストレージを備えた複数のCitrix Hypervisorサーバー
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ローカルストレージを備えたCitrix Hypervisorサーバー
Citrix Hypervisorの最も簡単な展開は、ローカルストレージを備えた1つ以上のCitrix HypervisorサーバーでVMを実行することです。
注:
Citrix Hypervisorサーバー間での仮想マシンのライブマイグレーションは、共有ストレージがある場合にのみ使用できます。ただし、ストレージライブマイグレーションは引き続き利用できます。
基本的なハードウェア要件
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ローカルストレージを備えた1つまたは複数の64ビットx86サーバー
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Citrix Hypervisorサーバーと同じネットワーク上にある1台以上のWindowsシステム
基本手順
- Citrix Hypervisorサーバーソフトウェアを各サーバーにインストールする。
- XenCenterをWindowsシステムにインストールする。
- XenCenterでCitrix Hypervisorサーバーに接続する。
XenCenterでCitrix Hypervisorサーバーに接続すると、そのホストのローカルディスク上にストレージが自動的に設定されます。
共有ストレージを備えたCitrix Hypervisorサーバーのプール
リソースプールとは、複数のCitrix Hypervisorサーバーを単一の管理対象としてグループ化したものです。リソースプールに共有ストレージを接続すると、十分なメモリを備えた任意のCitrix Hypervisorサーバー上で仮想マシンを起動できるようになります。さらに、最小限のダウンタイムで、実行中の仮想マシンを別のホスト上に動的に移行することもできます(「ライブマイグレーション」とも呼ばれます)。Citrix Hypervisorホストでハードウェア障害が生じた場合、管理者は、そのホスト上の仮想マシンを、同じリソースプール内の別のホスト上で再起動させることができます。
高可用性(HA)機能が有効な場合は、障害が生じたホスト上の仮想マシンを自動的に他のホスト上に移行させることができます。
リソースプール内のホストで共有されるストレージをセットアップするには、新しいストレージリポジトリを作成する必要があります。Citrix Hypervisorストレージリポジトリ(SR)は、仮想ディスクを格納するストレージコンテナです。仮想ディスクと同様に、ストレージリポジトリはCitrix Hypervisorに依存しない永続的なオンディスクオブジェクトです。ストレージリポジトリは、ローカルディスクデバイスや共有ネットワークストレージを含む、内蔵および外付けのさまざまな種類の物理ストレージデバイス上に作成できます。以下の種類のストレージを使用して、ストレージリポジトリを作成できます:
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NFS VHDストレージ
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ソフトウェアiSCSIストレージ
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ハードウェアHBAストレージ
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GFS2ストレージ
ここでは、Citrix Hypervisorサーバーのリソースプールのストレージリポジトリとして、NFSとiSCSIという2種類のストレージを使用します。これらのNFSまたはiSCSIストレージは、ストレージリポジトリを作成する前に設定しておく必要があります。設定方法は、使用するストレージソリューションによって異なります。詳しくは、ベンダーのドキュメントを参照してください。使用するストレージの種類に限らず、共有ストレージを提供するサーバーに静的なIPアドレスを設定するか、DNSで正しく名前解決されるように設定しておく必要があります。共有ストレージのセットアップについて詳しくは、「ストレージ」を参照してください。
共有ストレージを追加する前に、リソースプールを作成しておくことをお勧めします。プールの要件とセットアップ手順については、XenCenterのドキュメントの 「プールの要件」または「ホストとリソースのプール」を参照してください。
共有NFSストレージを備えたCitrix Hypervisorサーバー
基本的なハードウェア要件
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ローカルストレージを備えた2つ以上の64ビットx86サーバー
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Citrix Hypervisorサーバーと同じネットワーク上にある1台以上のWindowsシステム
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NFSで共有ディレクトリをエクスポートするサーバー
基本手順
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Citrix Hypervisorサーバーソフトウェアを各サーバーにインストールする。
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XenCenterをWindowsシステムにインストールする。
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XenCenterでCitrix Hypervisorサーバーに接続する。
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Citrix Hypervisorサーバーのプールを作成する。
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NFSサーバーを設定する。
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プールレベルでNFS共有上にストレージリポジトリを作成する。
NFSストレージの設定
ストレージリポジトリを作成する前に、NFSストレージを設定する必要があります。プールで使用されるNFS共有には、静的なIPアドレスを設定するか、DNSでの名前解決を正しく設定する必要があります。また、NFSサーバーには、NFSクライアント(プールのCitrix Hypervisorホストなど)でマウント可能な1つまたは複数のターゲットが存在している必要があります。設定方法は、使用するストレージソリューションによって異なります。詳しくは、ベンダーのドキュメントを参照してください。
XenCenterを使用してプールレベルでNFS共有上にストレージリポジトリを作成するには:
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リソースペインでリソースプールを選択します。XenCenterのツールバーで [新規ストレージ] をクリックします。新規ストレージリポジトリウィザードが開きます。
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[仮想ディスクストレージ] で、ストレージの種類として[NFS VHD]を選択します。[次へ] をクリックして続行します。
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新しいストレージリポジトリの名前と、それを格納する共有の名前を入力します。指定した場所に既存のNFSストレージリポジトリがあるかどうかを確認するには、[スキャン] をクリックします。
注:
指定したパスがプール内のすべてのCitrix HypervisorサーバーにエクスポートされるようにNFSサーバーを設定しておく必要があります。
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[完了] をクリックします。
新しいストレージリポジトリが作成され、リソースペインのリソースプールの下に追加されます。
xe CLIを使用してプールレベルでNFS共有上にストレージリポジトリを作成する
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プール内の任意のCitrix Hypervisorサーバーで、コンソールを開きます。
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次のコマンドを実行して、server:/pathにストレージリポジトリを作成します:
xe sr-create content-type=user type=nfs name-label=sr_name= \ shared=true device-config:server=server \ device-config:serverpath=path <!--NeedCopy-->
ここで、
device-config-server
にNFSサーバーの名前を指定し、device-config-serverpath
にそのサーバー上のパスを指定します。shared
にtrueを指定しているため、プール内のすべてのホストにこの共有ストレージが自動的に接続されます。また、このプールに後で追加するすべてのホストにもこの共有ストレージが自動的に接続されます。作成されたストレージリポジトリのUUIDがコンソールに出力されます。 -
pool-list
コマンドを実行して、プールのUUIDを確認します。 -
次のコマンドを実行して、このストレージリポジトリをプール全体のデフォルトとして設定します:
xe pool-param-set uuid=pool_uuid \ default-SR=storage_repository_uuid <!--NeedCopy-->
共有ストレージがプールのデフォルトとして設定されたため、今後作成するすべての仮想マシンのディスクがデフォルトでこのストレージリポジトリに作成されます。
共有iSCSIストレージを備えたCitrix Hypervisorサーバー
基本的なハードウェア要件
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ローカルストレージを備えた2つ以上の64ビットx86サーバー
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Citrix Hypervisorサーバーと同じネットワーク上にある1台以上のWindowsシステム
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iSCSIで共有ディレクトリを提供するサーバー
基本手順
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Citrix Hypervisorサーバーソフトウェアを各サーバーにインストールする。
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XenCenterをWindowsシステムにインストールする。
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XenCenterでCitrix Hypervisorサーバーに接続する。
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Citrix Hypervisorサーバーのプールを作成する。
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iSCSIストレージを設定する。
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必要に応じて、iSCSIデバイスの複数のイニシエータを有効にする。
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必要に応じて、各Citrix HypervisorサーバーにiSCSI Qualified Name(IQN)を設定する。
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プールレベルでiSCSI共有上にストレージリポジトリを作成する。
iSCSIストレージの設定
ストレージリポジトリを作成する前に、iSCSIストレージを設定する必要があります。プールで使用されるiSCSIストレージには、静的なIPアドレスを設定するか、DNSでの名前解決を正しく設定する必要があります。また、仮想マシンストレージ用としてSAN上のiSCSIターゲットLUNを提供し、それを認識して接続できるようにCitrix Hypervisorサーバーを設定する必要があります。これを行うには、各Citrix Hypervisorサーバー上の各iSCSIイニシエータとiSCSIターゲットに固有のIQNを指定します。詳しくは、ベンダーのドキュメントを参照してください。
Citrix HypervisorサーバーごとにiSCSI IQNを構成する
Citrix Hypervisorをインストールすると、そのホストに固有のIQNが自動的に関連付けられます。ローカル管理ネーミングポリシーに従う必要がある場合は、次のxe CLIコマンドを使用してIQNを変更できます:
xe host-param-set uuid=<host_uuid> iscsi_iqn=<iscsi_iqn>
<!--NeedCopy-->
XenCenterを使用してプールレベルでiSCSI共有上にストレージリポジトリを作成するには:
警告:
iSCSIおよびHBAストレージでCitrix Hypervisorストレージリポジトリを作成すると、そのボリューム上のすべてのデータが破棄されます。
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リソースペインでリソースプールを選択します。XenCenterのツールバーで [新規ストレージ] をクリックします。新規ストレージリポジトリウィザードが開きます。
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[仮想ディスクストレージ] で、ストレージの種類として[ソフトウェアiSCSI]を選択します。[次へ] をクリックして続行します。
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新しいストレージリポジトリの名前と、iSCSIターゲットのIPアドレスまたはDNS名を入力します。
注:
プール内のすべてのCitrix HypervisorサーバーがLUNにアクセスできるようにiSCSIストレージターゲットを設定しておく必要があります。
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iSCSIターゲットがCHAP認証を使用するように設定されている場合は、[CHAPを使用する]チェックボックスをオンにして詳細を入力します。
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[IQNの検出] をクリックして、[ターゲットIQN]ボックスの一覧からiSCSIターゲットのIQNを選択します。
警告:
iSCSIターゲットおよびプール内のすべてのホストで、固有のIQNが設定されている必要があります。
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[LUNの検出] をクリックして、[ターゲットLUN]ボックスの一覧からLUNを選択します。このLUNにストレージリポジトリが作成されます。
警告:
各iSCSIストレージリポジトリは全体が単一のLUNに含まれる必要があり、複数のLUNにまたがることはできません。また、選択したLUN上の既存のデータはすべて破棄されます。
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[完了] をクリックします。
新しいストレージリポジトリが作成され、リソースペインのリソースプールの下に追加されます。
xe CLIを使用してプールレベルでiSCSI共有上にストレージリポジトリを作成するには:
警告:
iSCSIおよびHBAストレージでCitrix Hypervisorストレージリポジトリを作成すると、そのボリューム上のすべてのデータが破棄されます。
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プール内の任意のサーバーのコンソールで、次のコマンドを実行します:
xe sr-create name-label=name_for_sr \ host-uuid=host_uuid device-config:target=iscsi_server_ip_address \ device-config:targetIQN=iscsi_target_iqn device-config:SCSIid=scsi_id \ content-type=user type=lvmoiscsi shared=true <!--NeedCopy-->
device-config:target
引数では、iSCSIサーバーの名前またはIPアドレスを指定します。shared
にtrue
を指定しているため、プール内のすべてのホストにこの共有ストレージが自動的に接続されます。また、このプールに後で追加するすべてのホストにもこの共有ストレージが自動的に接続されます。このコマンドにより、作成されたストレージリポジトリのUUIDが返されます。
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pool-list
コマンドを実行して、プールのUUIDを確認します。 -
次のコマンドを実行して、このストレージリポジトリをプール全体のデフォルトとして設定します:
xe pool-param-set uuid=pool_uuid default-SR=iscsi_shared_sr_uuid <!--NeedCopy-->
共有ストレージがプールのデフォルトとして設定されたため、今後作成するすべての仮想マシンのディスクがデフォルトでこのストレージリポジトリに作成されます。